テニス肘
テニス肘とは
テニス肘は、肘の外側にある突起(上腕骨外側上顆)周辺が痛くなる疾患で、当院にもテニス肘の方が来院されています。
テニス肘という名称ですが、実はテニス以外の、家事やPC操作などの日常動作が原因で引き起こされることの方が多いようです。

原因は肘の外側に付着する前腕の伸筋(手首を反らす筋肉)の腱が、繰り返される負担で、傷つけられることによります。
簡単言えば「オーバー・ユース」(使いすぎ)です。
特に短橈側手根伸筋という筋肉を酷使して、付着部を痛めてしまうことが主な原因とされています。
男女差はなく、30代後半からの中年の世代に多い疾患です。
中年に多いというのは、使いすぎに加え、加齢による腱の変性も悪影響を与えています。
腱の変性とは、腱が古くなって、弱っている状態です。
皆さんのお肌と同じく、腱も傷つきやすく、回復も遅くなっているのです。(悲しい…私も中年なので。)
テニス肘の治し方
さきほど「オーバー・ユース」と書きました。
治し方は、ズバリ「安静」です。
「そんなん、分かってるわ!!」というツッコミが画面越しに伝わってきました(笑)
確かに「安静」が最重要なのですが、ドッコイ「安静」が困難。
テニスやバドミントンは一旦休止できても、日常生活でどうしても腕を使うので、なかなか難しい。
日々の買い物、お料理、雑巾がけ、仕事でのパソコン作業、スマホでゲームや動画と手首を動かす筋肉を使わない訳にはまいりません。
だからテニス肘は長引く方が多いのです。
そこでどうするのか?
ここからが鍼灸の出番です。
当院の鍼灸治療
まずどうしたら局所が安静に出来るかを考えます。
①オーバー・ユースで固まっている短橈側手根伸筋などの手首を伸ばす筋肉たちを鍼で徹底的に緩めます。
そうすれば腱の付着部へのストレスが減り、局所の安静が図れます。
ここまでは鍼灸師なら誰でも考えることなんですが、これだけではダメです。
②他の原因箇所も鍼で緩めます。例えば、手首を伸ばす筋肉だけでなく、手首を曲げる筋肉、肘を曲げ伸ばしする筋肉も状況を見て、アプローチします。
でも、まだまだ、これではダメなんです。
③手首や肘の筋肉・関節にアプローチするだけでなく、肩甲骨、肩関節、指の動きを改善が欠かせません。
手首のスムーズに動かすには、肩関節、肩甲骨が正常に連動して動く必要があります。
(究極を言えば、下半身の動きも影響するので、すっきり治すには股関節、膝、足首にアプローチする必要が出てくることもあります。)
肩関節、肩甲骨などの動きが悪いままだと、しわ寄せが手首にきてしまい、いつまでたっても問題の腱付着部へのストレスが減らず、痛む局所の安静が保てません。
ここは鍼だけでなく、運動療法も併用した方が治りが断然早いので、当院では関節トレーニング(JTAフラッシュリプロ療法)という運動療法を取り入れおります。
この関節トレーニングはセルフケアとしてもご家庭で取り入れていただけるので、施術だけなく、ご家庭でも実施していただいています。
施術とセルフケアで正しい腕の動きを手に入れ、痛む局所への負担を減らしていきます。
しかし、それでも治らない方が、いらっしゃいます。
④次は、筋肉、関節でだめなら、神経にアプローチします。
肘の筋肉の付着部の損傷かと思いきや、痛む局所付近を通過する神経が、筋肉や腱に刺激されて、痛みが起きていることがあります。
いわば神経痛のような状態です。
それに関しては、神経を刺激している筋や腱に鍼で緩めることで、改善します。
さらに肘より上の上腕や肩の近くで神経が圧迫されているケースもあります。
さらにさらに上位の神経と通り道、鎖骨や首の部分にアプローチする必要もあります。
治りにくいケース
上記の治療で改善するはずですが、それでもなかなか良くならない場合も実際にあります。
特に更年期の女性はホルモンの変化(エストロゲンの減少)の影響もあり長引く方も多く、男女問わず過度の飲酒をされている人も治りにくい印象があります。
その他、過度に仕事やスポーツを頑張り過ぎている人、間違った動作を繰り返している人は時間がかかると思います。(長時間や悪い姿勢でのパソコン作業・スマホの使用、腕に負担のかかる家事を頑張っている、間違ったフォームで運動をしている、ハサミや工具などの使い方に変な癖が付いている。など)
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